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カムストック第五十七談 「浜燃ゆ」

 

カムカムミニキーナ旗揚げ20周年メモリアルサンクスシリーズ

 

Water Front Saga in Bahama

 

が、いよいよ開幕です。

 

今回の明石スタジオでの第一弾


「浜燃ゆ〜らっこ篇〜


から幕を開けるこのシリーズは、

 

6月 明石スタジオ

「浜燃ゆ〜つばめ篇〜」

 

11月 吉祥寺シアター

「水際パン屋〜Water Front Bakery〜」

 

へと続いていく、
続き物のような続きものでないような、一連の作品群。

それは、同じ土地の歴史の物語
とでも考えてもらうといいかもしれないです。
例えば、

 

平将門の乱

豊臣秀吉の天下統一

近藤勇と土方歳三の出会い
長嶋茂雄引退

カムカムミニキーナ20周年記念公演

 

これら一つ一つは
続きものと言っては語弊があるけれども、

だいたい同じ、関東という土地で、
いろんな幅の時間差で
次々と起こった一連の出来事です。

 

そういう意味でのSagaです。

 

「馬浜」という架空の港町を舞台にしたこの大河ドラマは、

 

まず僕がある港町の外れで、


Water Front Bakery


という名の渋いパン屋の看板を見て、
なぜか思わず直訳してみて、


「水際パン屋」


っていう、何かいろいろ想起できそうで、

タイトルにいいなと思ったことに一つ起因し、

 

もう一つに今年のベストセラーにも挙がっている


辻原登「許されざる者」


を読んで、やけに清新な気持ちになって、
物語づくりに取り組めたことに一つ起因し、

 

そしてこれはどういうきっかけだか完全に忘れてしまいましたが、

キューバ革命のことをふと考えたことに一つ起因します。

 

とにかく長い時間の中での一つの土地の盛衰を描こうと思いました。

盛衰といっても、それはどちらかというとやはり、衰、です。

 

そして長い時間の中での群像劇というものを目指しました。

まさにそれは大河ドラマですが、

戦国ものと幕末ものと現代ものが、
同時に組み込まれるようなスパンというか、

そういう空からの視線のようなもので大きく俯瞰した大河。

 

“馬浜”千年の鳥瞰図です。

 

第一弾「浜燃ゆ〜らっこ篇〜」では、


そのポイントを経済においてみました。

 

演劇の作品で、経済ってなかなか出てこない。

恋愛や家族や自立、
あるいはざっくりとした政治に物語は偏っています。

しかし経済というものは、
それらに匹敵するほど、個人にとって重要なものです。

 

ただ、経済って複雑すぎてもう、

大抵の人は、何が起こってるかわからないんですね。

僕もよくわからない。

それは好調であれば、よくわからなくても、

何の問題もなくことが進んでいく。

ところが、こういう未曽有の規模で不調になった場合、

今までよくわからないままで来たことが、

よくわからないまま、まんま、個人の肩に直接のしかかってくる。

 

今や、恋愛も家族自立も政治も、
昨今のほとんどの問題を探る視点の在り処は、

経済、お金の流れの範疇にあるような気さえします。

 

僕が興味を持つのは、

お金お金の世の中だ、それでいいのか?
とかそういうことではなくて、


大抵の人は何が起こってるかよくわからないものなのに、

結果的に個人の肩にのしかかる、この化け物。

それは人の手を遠く離れて勝手に蠢いてる、

構造的に隠蔽された透明のモンスターです。

 

そういうものにこそ物語の主題があると思います。

イメージ化するべきものとでもいいましょうか。

 

今回この話を書くにあたって、

この不況の元凶と言われた、
リーマンショックについてちょっと勉強しましたが、


ほとんどよくわかりませんでした。


専門家じゃないとわからないです。

原子物理学と金融工学が繋がるなんて夢にも思わない。

核兵器の開発に携わったような人が、
市場のコントロールの理論を立ち上げた…?


もはやいくら説明されてもわからない。


ただ、いくら説明されてもわからないことが、


演劇に来る客が減って、劇団の存続を脅かすとか、

クリスマスプレゼントを買えなくて、彼女にふられるとか、

何十年続いた居酒屋がつぶれるとか、

知人が失踪するとか、


そういう身近で切迫した事件にダイレクトに繋がっていく…

 

今回のらっこ篇

大きな自然のサイクルを生き方の基礎に据えて栄えてきた古い町が、

新興資本の流入により崩壊する様を描きます。


それは、いくら説明されてもよくわからないモンスターの襲来です。

 

ただ、そうは言っても、
指をくわえてその崩壊を見ているだけの告発話じゃありません。
うちは決して社会派演劇集団ではない。

 

そこに対置されるものは、
そのモンスターに匹敵する何か…


これまたうまく説明できないけど、


何かそういう経済みたいな透明の化け物に対抗する、

何か人間的なるものの源泉みたいな…

長い時間の中でのみ受け継がれてきたみたいな…

人を人たらしめてきたみたいな…

しかし、これまた化け物みたいな…

 

それを具現化するために必要な思考転換のポイントを、


「死」

と考えました。

 

透明の巨大モンスターに対抗するには、

生きてるものの智恵と力だけではどだい無理なのです。

 

「死」を「死」と考えず、

リレーのようなものとして、人を考えてみる。

千年受け継がれてきたバトン、

そのバトンを手にしたすべての人が、

今ここに、私にある、という考え方。

そういう連なりとしての個人と個人の連合軍で、
海から襲来する巨大モンスター迎え撃つ!

 

その水際でのギリギリの戦いを描いていく、
活劇にしたいと思ってます。

 

何度も言うとおり、

このシリーズは決して続き物というわけではありませんが、

 

僕としてはぜひこの、

 

「浜燃ゆ〜らっこ篇〜」

 

からこの物語を見てもらいたいと思ってます。

 


20周年記念作品としての渾身の一作です。

是非是非!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

at 12:48, 松村武, -

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